こんにちは、院長の瀧澤です。全5回にわたってお届けしてきた骨粗しょう症シリーズも、今回がいよいよ最終回です。
前回の「運動」に続き、もう一つの柱となるのが「食事」です。「カルシウムを摂ればいいんでしょう?」と牛乳をたくさん飲んでいる方も多いかもしれません。もちろん正解ですが、実はカルシウムだけでは骨は十分に強くなりません。
今回は、効率よく骨密度を上げるための食事のポイントをお伝えします。
1. 骨の「材料」と「接着剤」を揃えよう
骨をビルに例えるなら、カルシウムは「コンクリート」です。しかし、コンクリートだけでは崩れやすいビルになってしまいます。そこで必要なのが、以下の2つのサポーターです。
- ビタミンD(運び屋): 腸からのカルシウム吸収を助け、骨に届ける役割。
- ビタミンK(接着剤): カルシウムを骨にしっかり定着させる役割。
この「カルシウム+ビタミンD+ビタミンK」の3点セットを意識することが、骨密度アップの近道です。
2. 今日から食卓に取り入れたい「骨育」食材
「難しい栄養計算は続かない」という方へ。いつもの食事に「ちょい足し」できるおすすめ食材をご紹介します。
- カルシウム: 小魚(しらす・桜えび)、小松菜、豆腐、チーズ、牛乳
- ビタミンD: 鮭、さんま、しいたけやキクラゲなどのきのこ類
- ビタミンK: 納豆、ブロッコリー、ほうれん草
特におすすめなのが、「納豆+しらす」や「鮭のムニエル+小松菜のソテー」といった組み合わせ。これだけで骨の材料とサポーターが一度に摂取できます。
3. 注意!骨を弱くしてしまう「落とし穴」
良かれと思って食べているものが、実は骨の邪魔をしていることもあります。
- 塩分の摂りすぎ: 塩分を排泄するときに、せっかくのカルシウムも一緒に体外へ出てしまいます。
- 加工食品の摂りすぎ: インスタント食品やスナック菓子に含まれる「リン」は、摂りすぎるとカルシウムの吸収を妨げます。
- お酒の飲みすぎ: アルコールはカルシウムの吸収を抑え、尿への排泄を増やしてしまいます。
「完璧」を目指す必要はありません。まずは「お味噌汁に小松菜を入れる」「おやつを煮干しに変えてみる」といった小さな工夫から始めてみましょう。
4. シリーズの終わりに:一生自分の足で歩くために
全5回を通してお伝えしてきたのは、「骨粗しょう症は、防げるし、治せる可能性が高い病気である」ということです。
- サインを見逃さない(第1回)
- 放置のリスクを知る(第2回)
- 定期的な検査を受ける(第3回)
- 適度な刺激を与える(第4回)
- バランスの良い食事を摂る(第5回)
このサイクルを回すことで、10年後、20年後のあなたの生活は大きく変わります。骨粗しょう症の治療は「未来の自分へのプレゼント」です。
当院では、検査から治療、そしてリハビリや食事のアドバイスまで、トータルで皆さんの骨の健康をサポートしています。「最近、骨のことが気になってきたな」という方は、ぜひ一度ご相談ください。一緒に、一生歩ける強い骨をつくっていきましょう!