こんにちは、院長の瀧澤です。前回のブログでは、骨粗しょう症の検査や治療薬についてお話ししました。
「薬を飲んでいれば、それで安心」……そう思っていませんか? 実は、骨を強くするためには、お薬と同じくらい大切なことがあります。それが「運動」です。
骨は、物理的な負荷(刺激)がかかることで、「もっと強くならなきゃ!」と細胞が活性化する性質を持っています。今回は、診察室でもお伝えしている、骨を守るための効果的な運動について解説します。
1. なぜ「歩くだけ」では不十分なのか?
「毎日犬の散歩をしているから大丈夫」という方も多いのですが、実は漫然と歩くだけでは、骨を強くするほどの刺激としては少し足りない場合があります。
骨に必要なのは、「重力に対して垂直にかかる衝撃」です。 宇宙飛行士が、無重力空間にいるだけで骨密度が急激に下がってしまうのは、この「衝撃」がないからです。つまり、骨を育てるには、骨に対してトントンと心地よい刺激を与えてあげることが重要です。
2. おすすめ運動①:「かかと落とし」
場所を選ばず、誰でもすぐにできる骨トレが「かかと落とし」です。
- 背筋を伸ばして立ちます(不安な方は椅子の背もたれに捕まってください)。
- 両足のかかとをグーッと上げ、つま先立ちになります。
- ストン!と勢いよく、かかとを地面に落とします。
これを1日30回程度行うだけで、足の付け根や背骨にダイレクトに刺激が伝わります。この衝撃が骨を作る細胞を呼び覚まし、骨密度の低下を防いでくれるのです。
3. おすすめ運動②:フラつきを防ぐ「片足立ち」
骨を強くすると同時に大切なのが、「転ばない体づくり」です。骨がもろくなっていても、転ばなければ骨折は防げる可能性が高まります。
- 椅子の横などに立ち、片足を床から数センチ上げます。
- そのまま1分間キープします。
- 左右交互に1日3回行います。
これだけで、バランス能力が向上し、ふらつきによる転倒リスクを大幅に下げることができます。
まとめ:筋肉は骨の「天然のコルセット」
運動によって筋肉が鍛えられると、それが天然のコルセットとなって骨を支え、痛みも和らげてくれます。当院のリハビリテーション科でも、患者さん一人ひとりの状態に合わせた運動指導を行っていますので、「自分に合ったレベルを知りたい」という方はお気軽にご相談ください。
さて、次回の最終回はいよいよ「食事編」です。 「カルシウムを摂ればいいんでしょう?」……実はそれだけでは不十分なのです。骨を作るための効率的な食べ合わせについて、詳しくお伝えします。