整形外科

むちうち(頚椎捻挫)

むちうち(頚椎捻挫)

症状

むち打ちには様々な症状があります。

代表的な症状として以下のようなものがあります。

首の痛み

むち打ちによる首の痛みは、事故後に首の後部に発生することが一般的です。この痛みは、首の筋肉や靭帯にダメージが生じた結果で、激しい痛みやこりとして現れます。痛みは首を動かす時に発生し、日常生活に支障をきたすことがあります。

頭痛

むち打ちの頭痛は、通常、事故や怪我の直後から現れ、後頭部や側頭部に鋭い痛みを伴います。これは、首の筋肉や神経にダメージが及び、痛みが頭部に広がる結果です。頭痛は持続的で、首を動かすことにより症状を悪化させることがあります。これはむち打ちによる炎症や筋肉のこりに関連しています。頭痛は、むち打ち症状の一部であり、治療の対象となります。

肩の痛み

むち打ちによる肩の痛みは、通常、事故後すぐに現れることがあり、肩周囲や首から腕にかけて広がることがあります。肩の痛みは筋肉や靭帯にダメージが生じる結果で、肩を動かしたりすることで悪化することがよくあります。この痛みは持続的で、日常生活に支障をきたすことがあります。治療によって痛みを軽減し、肩の機能を回復させることができます。

腰痛

むち打ちによる腰痛は、車の衝突や事故により、腰椎や周囲の組織にダメージが生じることにより痛みが現れます。この痛みは鈍痛から鋭い痛みまでさまざまで、日常生活の動作や座っている時間、立っている時間に悪化することがあります。

手や腕のしびれや麻痺

むち打ちによる手や腕のしびれは、事故で頚椎(首の骨)にダメージが加わると、神経圧迫や神経損傷が生じることにより起こります。この圧迫や損傷により、手や腕に感覚や運動の異常が現れ、しびれや麻痺が生じます。症状の程度は様々で、軽度の場合から重度の症状まで幅広いです。

手足の脱力

むち打ちによる手足の脱力は、神経や筋肉へのダメージに起因します。事故によって首や背骨に衝撃が加わると、神経信号の伝達が妨げられ、手足の筋肉が正しく動かなくなります。これにより、手足がだるく感じられ、持続的な疲労感や脱力感が生じることがあります。

めまい・吐き気

むち打ちによるめまいや吐き気は、首の急激な前後の運動によって内耳や平衡感覚に影響が及ぶことで発生します。事故の際、頚椎にダメージが加わると、内耳に信号が正確に送られなくなり、めまい感覚や吐き気が生じます。これは平衡感覚が乱れ、脳が混乱するためです。症状の程度は個人差があり、一時的なものから長期にわたるものまでさまざまです。

むち打ちの症状は、事故や怪我の直後から現れることもありますが、遅発性の症状も見られます。数日から数週間後に首の痛みやこり、頭痛が悪化することがあります。

これらの症状は、個人差があり、症状の程度や持続時間も異なります。軽度のむち打ち症は自然に回復することもありますが、重度の場合や後遺症が残る可能性があることから、早期の医療評価と治療が重要です。適切な治療によって、症状の軽減や回復が促進され、生活の質が向上します。

むち打ちの後遺症

むち打ちは、数か月間治療を受けても十分な効果が出ず、首の痛みや首・肩のこり、腕・手のしびれ、頭痛、めまいなどが後遺症として残ってしまうこともあります。数年経っても症状が残っていることもよくあります。事故に遭った後、なるべく早期に治療を受けることが大切です。

原因

自動車同士の交通事故

むち打ちの原因として1番多いケースが、自動車同士の交通事故です。特に自動車に乗車しているときに、後方から追突されるケースが多いです。不意に追突されると身構える時間がないため、首などをひどく損傷し重症化するケースがあります。

歩行中の事故

むち打ちの原因として2番目に多いのが、歩行中に自動車や自転車に衝突されて受傷するケースです。自動車に乗車しているときの衝突と違い、突き飛ばされて転倒するため、首だけでなく腰や手足を負傷することがあります。

スポーツ中の怪我

交通事故以外のむち打ちの原因は、サッカー、ラグビー、柔道などといった接触を伴うスポーツです。不意にタックルを受けたり、投げられたりすることで負傷します。

治療

むち打ちの治療をするにあたって、まずは安静にすることが大切です。次に首や腰の炎症や痛みなどを緩和させるため非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を使用します。また症状が強い場合、必要に応じて各種ブロック注射を検討します。併せて物理療法や理学療法士による運動療法を行います。物理療法では首の筋肉と椎間板にかかる圧力を軽減し、痛みを和らげるのに役立つ牽引療法や筋肉の緊張を緩和し、痛みを軽減するのに役立つ電気療法を行います。運動療法では、理学療法士が患者様ひとりひとりの症状に合わせて適切な治療を行います。