整形外科

むちうち(頚椎捻挫)

むちうち(頚椎捻挫)

交通事故の後遺症やスポーツの怪我で「むちうち」になったという話はよく聞きますよね。

また、実際に現在むちうちに苦しんでいる方や、今後自分がむちうちになってしまうのではと心配している方もいらっしゃるでしょう。

そもそもむちうちって何なのでしょうか?

医学的には「頚椎捻挫」、又は「外傷性頚部症候群」と呼称されます。

強い外からの衝撃によって重い頭が揺さぶられることで首(首の背骨:頸椎やその周囲の筋、靭帯など)に負担がかかり様々な症状が出ます。

自動車で後ろから追突されてしまった場合が典型的ですが、ラグビーでの衝突、スキーでの転倒など、スポーツでの受傷もしばしば見られます。

院長の私も冬になるとアルペンスキーの大回転をやるのですが、転ぶと硬いアイスバーンに叩きつけられるので、次の日は首が痛くて布団から起きられないこともしばしばです。

主な症状は首の痛みや動かしにくさなのですが、人によっては頭痛やめまい・吐き気を生じることがあり、実際に吐いてしまう方もいらっしゃいます。

首周りで最も大きな筋肉は僧帽筋(そうぼうきん)と言って頭の後ろから肩、肩甲骨、背中(胸の背骨)にまたがっているひし形の筋肉です。

人間は脳が発達していて頭が重い動物ですが、僧帽筋はこの重い頭を支える重要な役割をしている反面、この筋肉を傷めることがむちうちの主要な病態となります。

僧帽筋の痛みは後頭部から頭全体に波及して締め付けられるような頭痛を生じることがあり、前述の様に吐き気を伴うこともあります。

もう一つ肩甲挙筋という首の後ろと肩甲骨を繋ぐ筋肉があり、僧帽筋と肩甲挙筋を傷めることがむちうちの正体であることが大半です。

むちうちは、受傷直後にはなんともなくても数時間から数日ほど経って症状がひどくなることが多い怪我です。なので、直後に症状がないからと言って安心するのは尚早です。

受傷後しばらく経ってからの頭痛や吐き気を起こすものとして、「慢性硬膜下血腫」と言ってじわじわ頭の中に出血して脳を圧迫していく病態があります。命を助けたり後遺症を防ぐ為に緊急手術が必要な場合もあるのでしっかりと医師の診察を受けて見分ける必要があります。

また、特に交通事故のように他の人が関わっている怪我の場合、その事故と症状の因果関係をはっきりさせるため、早めに医療機関を受診して症状や検査結果についてカルテという客観的・公式な記録を残しておいた方が後々のトラブル防止のためには良いでしょう。

むちうちの痛みは、その痛みにより筋肉が緊張して更に痛みや吐き気が辛くなるという悪循環を生じやすいものです。

当院では、一般的な痛み止めに加えて筋肉の緊張をやわらげるお薬を処方したり、専門的なリハビリテーションやマッサージを提供し、更に必要に応じて各種ブロック注射を検討するなど、患者様一人一人の症状、状態、ライフスタイルやご希望に合わせた積極的な治療を早期から行うことができます。

これにより結果的に短い時間で最大限の症状改善を図り、痛みが後々まで残ることを可能な限り避けることができます。

また、交通事故の場合は警察や保険会社に提出する診断書やその他の書類も速やかにご用意させていただいております。

一度お気軽にご相談いただければと存じます。