腱鞘炎
症状
腱鞘炎が発症すると、炎症が起こった腱鞘の周囲には痛みや腫れ、赤み、熱さなどの症状が現れます。その結果、指や手首に不快感が生じ、さらに腱鞘が腫れて狭くなるため、指の動きに制限が生じることも特徴的です。このため、ねじる動作やつかむ動作など、手指を使った日常生活のさまざまな動作が困難になることがあります。例えば、スクリューキャップを開けるのが難しくなったり、ドアノブを回すのが困難になったり、包丁を握ることができなくなったり、物をつまむことができなくなったりします。さらに炎症が進行すると、腱の周辺の神経に刺激が及び、鋭い痛みやこわばり、しびれが現れることもあります
原因
腱鞘炎と聞くと、手指の使い過ぎが原因と思われがちですが、それ以外にも、ホルモンのバランスの乱れが関連していると言われています。特に、出産前や出産後、更年期の女性で手指や肘の痛みを訴える方が多いです。また、育児など手首や手指に負担のかかる動作が多いことも原因の一つとされています。
治療
腱鞘炎の治療において非常に重要なのは、患部を安静にすることです。腱は自己再生能力を持たないため、炎症が起こっている患部を休めて、炎症が収まるのを待つことが重要です。そのため、ギプスなどを用いて患部を固定する方法もあります。
初期症状の場合は、患部を氷で冷やすことが効果的です。ただし、凍傷を防ぐためにタオルなどで包んでから患部に当てるようにしましょう。また、慢性的な腱鞘炎の場合は、患部を温める方法もあります。温めることで血行が良くなり、痛みを緩和する効果があります。さらに、ストレッチや湿布薬の使用も状況に応じて有効とされています。
また、局所麻酔剤とステロイド剤を混ぜた注射療法もあります。この治療法は効果が高いとされていますが、糖尿病や薬剤アレルギーのある患者には使用できません。そして、これらの方法でも改善が見られず、日常生活に支障をきたすような場合には手術が考慮されることもあります。