整形外科

シンスプリント

シンスプリント

症状

シンスプリントの症状は、脛(すね)の内側に徐々に痛みが現れ、運動をする際の痛みや腫れなどが主な症状となります。適度な休憩により痛みが減少する傾向があります。

また、シンスプリントの症状の進行は、以下のように段階的に分類されます。

第1段階痛みはありますが、ウォームアップをすることで軽減します。
第2段階ウォームアップで痛みは軽減しますが、運動後に再び痛みが現れます。
第3段階運動中は常に痛みを感じますが、日常生活に支障はありません。
第4段階常に痛みを感じ、日常生活にも支障をきたすようになります。

シンスプリントの痛みの部位は、運動時にふくらはぎの下方1/3程度の範囲に見られます。

初期の段階では、ほんの少し違和感を覚える程度ですが、進行すると何もしていない状態でも痛みが現れ、走行が困難になるほど痛みが強まることもあります。

また、シンスプリントと疲労骨折は痛みの発生箇所が似ており、明確に区別することが難しいです。そのため症状が現れた場合は、早期に医療機関を受診し、専門家に診てもらうことをおすすめします。

原因

シンスプリントの原因は様々で、代表的なものとして以下のような原因が考えられます。

  • 過度の運動量(運動時間・運動内容)
  • 硬いグランドや地面での練習
  • 足底の薄いシューズの使用
  • 下肢の形態異常(回内足、O脚、扁平足など)
  • 足関節の柔軟性の低下や下肢の筋力不足

などが発生要因となります。

特に、部活動の新入部員などは、急激な運動量の増加がシンスプリントの発生につながります。

具体的にシンスプリントを発症しやすいスポーツとして、ランニング(長距離走やスプリントなど)・バスケットボール・サッカー・テニスなどが挙げられます。

上記のスポーツは一部の例であり、他のスポーツでもシンスプリントが発生する可能性があります。シンスプリントを予防するためには、適切なウォーミングアップ、クッション性のある適切な靴の選択、正しいフォームと技術の習得、適度な休息と回復が重要です。

治療

保存療法

シンスプリントは疲労骨折の初期症状と似ているため、レントゲン検査や超音波画像診断、MRI検査などといった方法を用いて、両者を区別することが治療における最初の一歩です。

シンスプリントと診断した場合、まずは運動制限することから始めます。

痛みが強い場合は安静が基本です。炎症を抑えるためにアイシングや湿布、内服を症状に応じて使用します。

また、同時にリハビリを行い、下肢のストレッチや原因となった下肢の問題点の改善をしていきます。

痛みに応じて徐々に運動を取り入れ、競技復帰を目指します。

リハビリテーション

痛みが強い段階では、炎症を抑えるために電気療法や超音波治療などといった物理療法を組み合わせながら実施します。

痛みが起きた原因を探り、再発しないためにリハビリを行います。

特に下肢後面の硬さ(柔軟性の低下)や足指の機能不全、扁平足などの形態異常などを評価し、ひとりひとりに合ったアプローチを行います。必要に応じてテーピングなどを用いて、患部の負担を軽減することを目指します。

薬物療法

炎症がある場合は、非ステロイド性の消炎鎮痛剤や湿布をすることで炎症を抑えます。ただし、飲み薬は副作用が出る場合があるため注意が必要です。

装具療法

子どもから大人まで、その方に合わせたインソールを作成します。インソールの使用によって、足底部のアーチ形態が機能するように改善します。また、疼痛が強い場合、足底部の衝撃を減らすような工夫を行います。

また、作成だけでなく、インソールの状態を定期的にチェックし、問題が無いか確認します。