骨粗しょう症
骨粗しょう症は、骨が脆く、折れやすくなってしまう病気です。
多くの方にとって聴き慣れない病名かもしれませんが、近年非常に注目されている病気でもあります。
骨というと、硬くて無機質なイメージがあるので、”大人になってからはあまり変化しないのでは?”と考える方も多いと思います。
しかし、肌の新陳代謝と同じように、骨も絶えず壊され、新たに作り直されるというサイクルを繰り返しているのです。
これを”骨代謝”と呼びます。
通常は主に骨を壊す破骨細胞と、骨を作る骨芽細胞という細胞が骨代謝を調整しており、バランスをとっています。
骨を壊す作用が強くなったり、骨を作る作用が弱くなったりしてバランスが崩れると、段々と骨量が減って脆くなってしまいます。この状態がひどくなると、骨粗しょう症といいます。
人間は通常、20歳頃まで骨が成長します。骨量としては30歳頃が最大になることが多く、その後は年齢とともに骨量が減少していきます。特に女性では、ホルモンの影響で、閉経を期に急激な骨量の減少が見られます。
70歳代以降の女性では、半分以上の方が骨粗しょう症の治療が必要な水準であるというデータもあります。
骨粗しょう症になると、体中の骨が弱くなります。これにより骨折を起こすことを”脆弱性骨折”と呼びます。脆弱性骨折を起こしやすい部位として、脚の付け根の骨(大腿骨近位部骨折)・腰の背骨(腰椎圧迫骨折)・手首の骨(橈骨遠位端骨折)・二の腕の骨(上腕骨骨折)等が代表的です。
脆弱性骨折を起こすと、そのまま歩けなくなり、寝たきりになってしまうこともあります。また、一旦骨折を手術などで治療しても、骨粗しょう症が改善しないと、また些細なきっかけで骨折を繰り返す傾向にあります。
骨粗しょう症の治療は、骨量の回復を目指します。現在では治療薬の選択肢は多岐にわたります。
飲み薬の他に、定期的に医院で注射する薬剤や、糖尿病のインスリン注射のように自分で注射する薬剤等、薬の形態も様々です。

当院では、デジタルX線により骨量を測定し、骨粗しょう症の有無と程度を数値で示すことができます。
また、採血により骨代謝を評価した上で、患者様のライフスタイルによる治療の続けやすさも考慮し、その患者様に合った治療を提案させていただきます。
骨粗しょう症の治療は、将来寝たきりになってしまうことを防ぎ、患者様の健康と生命を守るとともに、患者様ご本人とそのご家族の生活をも守ることになります。
骨量測定自体の料金は保険診療で140点(3割負担で420円、1割負担で140円 受診の際には、別途初診料や再診療、処方箋料、その他の検査料等がかかります。)となっています。
検診等で骨粗しょう症を指摘された方、骨折したことのある方、そうでなくても気になる方はお気軽にご相談ください。