整形外科

変形性膝関節症

変形性膝関節症

膝の痛みは、非常に一般的な症状の一つです。場合によっては”膝に水がたまる”というような表現もよく聞かれます。
哺乳類の多くは四足歩行ですが、ヒトは珍しい二足歩行の動物です。
他の動物でいう前脚は移動用途の任を解かれて腕と呼ばれ、器用な手先と投擲能力を得ました。
その代償として、ヒトはその全体重を腰や脚で支える必要が生じました。
これにより、足腰の痛みというのは人生と不可分の悩みになってしまったという側面があります。
特に膝は、壮年期以降で最も痛みが続くことの多い部位の一つです。
膝の痛みの原因は多岐に渡り、時には複合的です。
その膝の痛みの中で、長引くものについては、”変形性膝関節症”という疾患が最も疑わしいといえます。本来、間接というのは異なる骨と骨のつなぎ目です。骨自体は硬い組織ですが、直接骨と骨がぶつかるとゴリゴリと摩擦や衝撃が生まれ、滑らかに関節の曲げ伸ばしができません。そのため、ヒトの膝関節には骨を覆う軟骨や半月板というクッションの役割をする組織があります。また、関節の中は関節液というトロトロした液体で満たされていて、この中にはヒアルロン酸という潤滑成分が含まれています。
さて、残念ながらこの膝でクッションの役割をする軟骨や半月板は再生する能力が低く、一度傷ついてしまうと、ほとんどの場合もとには戻りません。すこしずつ軟骨が摩耗したり、怪我で半月板が断裂したりということを繰り返して、クッションの性能が下がっていきます。
クッションのすり減り現象が進むと、やがて骨に負担がかかり、骨そのものがとげとげしたり形が変わってきます。この頃には、靭帯など周囲の組織にも炎症や変化が波及します。
この一連の流れが変形性膝関節症の正体です。
変形性関節症では膝の痛みや、水腫といって水がたまる症状、膝の動かしにくさが生じ、日常生活に不便を感じるようになります。
進行した膝関節症を元に戻す治療というのは、残念ながら今のところございません。しかし、適切な治療介入により、早く症状を和らげたり、変形の進行を遅らせることができます。
保険適用となる投薬やリハビリ、関節注射や各種ブロックから、自費診療となるPRP療法まで様々な保存的治療(手術に頼らない治療)がございますが、最終的に根本的な治療は人工関節置換術等の人工物を用いた手術になります。
変形性膝関節症の保存治療は、ご自身の膝を大切に使い、なるべく病気の進行を食い止めつつ症状の改善をはかり、それでも必要であれば手術を検討する、といった運びになります。
変形性関節症のリスクとなるのは、体重過多や筋力不足、外傷、性別(女性)と言われています。
当院では総合的な治療の為、リハビリや投薬、関節注射、各種神経ブロックといった方法を患者さんの症状やご希望に合わせて組み合わせて治療を構築していきます。
また、医師やリハビリスタッフから、日常での注意点や楽に続けられる運動をご紹介をしています。
関節注射についても、水が溜まってしまった場合にその水を抜いたり、症状の強い時にヒアルロン酸を注射で補充することにより、症状改善だけでなく病気そのものの進行を遅らせるという論文での報告もあります。
肥満を伴う糖尿病の方については、お薬の内容を見直すことで体重を落とせる場合もあります。
膝の症状は腰を据えて取り組んでいく必要があることが多いので、まずはご相談いただければと存じます。