整形外科

オスグッド病

オスグッド病

症状

オスグッド病は、スポーツ動作全般で発生する可能性がありますが、特にジャンプ動作(バレーボール、バスケットボール)やダッシュ、キック動作(サッカー)などで発症しやすいです。症状としては、膝の屈伸時に脛骨粗面の下方に限局した疼痛や強い圧痛が主な特徴です。局所的な熱感や腫張、脛骨粗面の骨性の隆起が見られることもあります。また、両側での発生があることもあります。

オスグッド病の症状は、ジャンプ時の疼痛によるジャンプ力の低下や、ダッシュ時の疼痛によるタイムの低下など、スポーツパフォーマンスの低下につながることがあります。しかし、急性外傷(突発的なケガ)ではないため、スポーツ活動の休止がどれほど必要か判断することは難しい場合もあります。実際には、疼痛を抱えながらもスポーツ活動を継続している選手をよく見かけます。

オスグッド病は成長期の子供や若年者に多く見られる疾患であり、成長期の骨の発育と関連しています。症状を緩和するためには、疼痛や圧痛を和らげる治療法や、安静、炎症の抑制が求められます。また、適切なストレッチや筋力トレーニング、スポーツ動作の修正も有効な対策となります。

オスグッド病の症状を適切に管理するためには、医師や専門家の指導を受けることが重要です。個々の状況に応じた適切な治療プランやリハビリテーションを行い、症状の緩和やスポーツ活動の継続をサポートすることが目指されます。

原因

オスグッド病は、太ももの前にある大腿四頭筋(だいたいしとうきん)が過度に使われたり、柔軟性が低下したりすることによって引き起こされる場合がほとんどです。大腿四頭筋は、膝の曲げ伸ばしをする際に重要な役割を果たしています。特にサッカーやバスケットボールなど、膝を伸ばす動作を頻繁に行うスポーツでは、大腿四頭筋に膝蓋靱帯を介して付着している脛骨の付着部が強く引っ張られる状態が続くことで、骨端軟骨の一部に剥離が生じ、オスグッド病が発症します。

成長期の子どもでは、骨が柔らかく成長する過程であり、特に骨と筋肉や腱のバランスが整っていない不安定な状態です。加えて、筋肉や腱の成長が骨の成長に追いつかないことがあり、筋骨格構造がアンバランスになることがあります。その上に過度な運動による負荷が加わることで、膝の痛みが引き起こされると考えられています。

オスグッド病は成長期が終わると痛みが治まることが多いですが、無理をすると成長期後も痛みが残ることがあります。適切な休息と発症後のケアが必要です。成長期の子どもにおけるスポーツパフォーマンスを優先する場合には、十分な休息と適切なフォームの習得、筋力バランスの改善などが重要です。痛みが持続する場合は、医師の指導を受けながら適切な治療とリハビリテーションを行うことが必要です。

治療

オスグッド病の治療の基本は、患部を休めることです。

患部以外は、トレーニングを継続することも可能です。症状が初期段階であれば、部活動などにおいて練習量を減らしたり、安静にすることで症状が改善します。また、症状を悪化させないために、大腿四頭筋(太ももの前の筋肉)を伸ばすストレッチをすることが効果的です。

さらに痛みや腫れが見られる場合は、ストレッチや患部のアイシングと並行して鎮痛剤や湿布、低周波治療を行います。

痛みが長期にわたる場合、脛骨粗面の負荷を軽減するために、膝にサポーター(オスグッドバンド)を装着することも効果的です。

また、上記のような保存的療法や装具療法を行っても症状に改善が見られない場合は、遊離骨片の摘出手術が必要です。

手術が必要な場合、専門医療機関をご紹介させていただきます。