整形外科

腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニア

症状

腰椎椎間板ヘルニアの症状には、主に腰痛や下肢の痛み、痺れ、下肢の筋力低下による運動麻痺、知覚麻痺などがあります。痛みやしびれは、特定の動作をすることで発生するだけでなく、安静時にも痛みを伴う場合や、睡眠障害を引き起こすほどの重度な痛みを伴うこともあります。さらに、痛みが激しく足を床につけられない、正常に歩けない、起き上がることができないといった日常生活への影響もあります。 椎間板の突出が非常に大きい場合は、排尿や排便に障害が起きることもあります。また、運動麻痺がある場合には、足首への力が入らず、スリッパを履いていても脱げてしまうなどの問題も発生することがあります。

原因

腰椎椎間板ヘルニアの原因は、様々な要因が関与しており、特定することは難しいとされています。日常生活の中での習慣や姿勢、加齢、過度なスポーツ、遺伝的要素などが影響を与える可能性があります。 特に「座る」や「かがむ」といった姿勢では、腰椎間板に体重の約2.5倍の圧力がかかることが知られています。そのため、長時間のデスクワークや車の運転、中腰での作業、育児や介護、重い物を持つ仕事など、腰に負担のかかる作業は、腰椎椎間板ヘルニアの発症や現症状の悪化の原因となる可能性があります。

治療

腰椎間板ヘルニアの治療には、保存療法と手術療法の2つがあります。多くの場合、ヘルニアが突出したままの状態でも、神経根の炎症が収まれば、症状は改善されるため、保存療法が選択されます。 また、椎体後方の靭帯を突き破って突出したヘルニアの場合は、自然に吸収されることもあります。 腰椎間板ヘルニアの保存療法は、以下のような方法があります。

薬物療法

腰椎間板ヘルニアの保存療法では、消炎鎮痛薬やビタミンB12などの薬物が使用されることがあります。最近では、神経痛を和らげるために神経伝達物質の過剰放出を抑制する薬も使用される場合がありますが、これらの薬は強力な効果を持つ一方で、副作用のリスクも存在するため、投与量を調節する必要があります。

理学療法

腰椎牽引などの物理療法に加えて、腰の痛みが落ち着いてから腰椎周辺の筋力強化、ストレッチ指導などといった運動療法を行います。筋力を強化することで腰椎の安定化を図ります。

神経ブロック

圧迫された神経の周囲に薬剤を注入することで炎症や痛みを抑えます。しかし効果は一時的なものです。

上記のような保存療法でも症状が改善されない場合、手術療法が選択されます。

手術が必要な場合、専門医療機関をご紹介させていただきます。