整形外科

ヘバーデン結節

ヘバーデン結節

症状

第一関節(DIP関節)の変形や腫れ、屈曲、そして痛みなどといった症状が主な症状として挙げられます。また、指の曲げ伸ばしが困難になります。
人差し指から小指にかけてよく見られますが、親指にも症状が現れることがあります
また、粘液嚢腫(ミューカスシスト)と呼ばれる水ぶくれのような症状が、指の第一関節周辺に生じます。
症状が進行すると、関節の曲がりにくさや曲げたときに生じる痛みから、モノを掴みにくくなるなど、日常生活に影響を及ぼすようになります。

以下のような症状が見られる場合、へバーデン結節の可能性があります。

①指先に力が入りにくい
②第一関節(DIP関節)の痛み
(ピリピリやチクチクする、ぶつけた時に激痛が走る、強く握れないなど)
③第一関節(DIP関節)の動きが悪い・動きに制限がある
④第一関節(DIP関節)が変形している、グラグラと動く
⑤第一関節(DIP関節)が赤い、腫れている

当てはまる症状がある場合、医療機関を受診することが望ましいです。

中指のヘバーデン結節 60代女性

原因

へバーデン結節は、主に中年期以降に発症し、男性よりも女性に多い疾患です。へバーデン結節の原因は、はっきりとは解明されていません。考えられている原因の一つとして手の使い過ぎがあります。手をよく使う仕事をしている人や利き手に発症しやすいという報告もあります。またその他にも遺伝や更年期障害によるホルモンバランスの乱れなどが関わっていると言われています。女性では50歳前後でエストロゲンというホルモンが急激に低下するため、へバーデン結節が発症しやすいとも考えられています。

へバーデン結節と同じように中年期以降の女性に多く、手指に痛みが生じる疾患に関節リウマチがあります。へバーデン結節と関節リウマチは見分けがつくことが多いですが、紛らわしい場合もあります。関節リウマチの場合、診断が遅れると、全身の様々な関節が変形したり、肺などの内科的問題を引き起こす危険性があります。関節リウマチとへバーデン結節とでは治療方法が大きく異なるため、採血や超音波検査を行い、できるだけ早く診断する必要があります。そのため、手指に何か症状がある場合、なるべく早く医療機関を受診することが望ましいです。

治療

へバーデン結節の痛みは、時間の経過とともに軽減することもありますが、痛みや炎症が強い場合は、適切な治療を受けることが必要です。

まず、症状を軽減するためには、手や指への負荷を最小限に抑えるための休息が重要です。過度な活動や刺激を避け、手や指の組織に回復するための時間を十分に与えることが必要です。痛みや腫脹を軽減するために、氷などを使ったアイシングや湿布を使用することも効果的です。

また、手を安定させるために装具の使用が検討されることもあります。装具を使用することで、組織への負荷や圧迫を軽減し、組織の回復を促すことができます。

その他にも、物理療法は有効的な治療法です。電気療法や超音波療法、温湿布などを使用して痛みや炎症を和らげ、組織の修復を促します。

当院の温熱超音波治療器

また、薬物療法では、炎症や痛みの管理のために非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や処方薬が使用されることがあります。ただし、薬物の使用は医師の指導の下で行う必要があります。

治療の選択肢は個人の状況によって異なりますので、医師や専門家の指導のもとで適切な治療計画が立てられるようにしましょう。正確な診断と適切な処置を受けることで、へバーデン結節の症状の改善と再発の予防が期待できます。症状が改善するまでの時間や回復の進度は個人によって異なるため、継続的な医師のフォローアップと指導が重要です。