こんにちは、院長の瀧澤です。前回のブログでは、変形性膝関節症が引き起こす悪循環や、将来的な歩行困難のリスクについてお話ししました。
「ひざが悪いかもしれないけれど、検査って何をするの?」「一度治療を始めたら、ずっと強い薬を飲み続けなきゃいけないの?」そんな疑問や不安をお持ちの方も多いはずです。今回は、当院で行っている検査の流れと、治療の選択肢についてご紹介します。
1. 「関節の現在地」を知る:レントゲン検査と触診
変形性膝関節症の診断に欠かせないのが、画像検査と専門医による診察です。
- どんな検査?:X線(レントゲン)を使って、骨の変形の有無や、軟骨がすり減って骨と骨の隙間がどれくらい狭くなっているかを撮影します。
- 痛みは?:全くありません。指定の姿勢で数秒間じっとしているだけです。
- 触診では?:医師が実際に関節に触れ、腫れや水が溜まっていないか、どの角度で痛みが走るかを丁寧に確認します。
この検査では、特に負担がかかりやすい「ひざの関節」を直接評価することで、精度の高い「関節の現在地」を把握できます。今のすり減り度合いを段階的に数値化・可視化することで、将来の進行リスクを予測できるのです。
2. 「隠れた原因」を見極める:超音波検査や血液検査
「レントゲンではそこまでひどくないのに、強い痛みがある」という方がいらっしゃいます。これは、軟骨だけでなく、関節を包む膜(滑膜)に強い炎症が起きているためです。
必要に応じて超音波(エコー)検査などを行うことで、
- 今、関節のどこに強い炎症が起きているのか
- 関節の中に水(関節液)がどれくらい溜まっているのか といった「関節のリアルタイムな状態」がわかります。これにより、患者さん一人ひとりに最適な「オーダーメイドの治療計画」を立てることが可能になります。
3. 進化する治療:あなたに合ったスタイルを選べる時代へ
「関節の治療=強い痛み止めを飲み続ける」というイメージは、もう過去のものです。現在は、患者さんのライフスタイルや病状に合わせて、さまざまな選択肢があります。
- ヒアルロン酸注射:定期的にひざの関節内へ潤滑油(ヒアルロン酸)を注入することで、クッション性を高め、スムーズな動きを取り戻します。
- お薬・貼り薬:整形外科学会のガイドラインでも推奨されている非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)の内服や、患部に直接作用して胃腸への負担が少ない貼り薬・塗り薬など、症状に合わせて処方を行います。
- サポーター・装具:関節のぐらつきを抑え、歩行時の負担を物理的に軽減するオーダーメイドの装具を作成することも可能です。
4. 治療のゴールは「痛みを抑えること」だけではありません
私たちの目標は、単に一時的に痛みを消すことではなく、「一生、自分の足で歩き続け、やりたいことを諦めない生活」を守ることです。
治療を始めると、一般的には数週間から数ヶ月で炎症が落ち着き、動きやすさが改善し始めます。状態が改善すれば、お薬の種類や頻度を減らしたり、予防的なアプローチへと移行することも可能です。
まとめ:まずは「受けてみる」ことが第一歩
「まだ我慢できるかな?」と思う時こそ、検査を受けていただくことを推奨します。自分の関節の状態を正確に知ることは、将来への大きな安心につながります。
次回のブログでは、病院での治療と同じくらい大切な「ご自宅でできる運動のコツ」について詳しくお伝えします。