ゴルフ肘(内側上顆炎)
症状
ゴルフ肘(内側上顆炎)の代表的な症状は、内側上顆周辺の痛みです。この痛みは、しばしば手首から内側の前腕に広がります。手首を屈曲させる動作や手を握る動作、物を持ち上げる動作などによって痛みが悪化することがあります。特に、手首を手のひらの方に曲げたときに痛みが強く出ることが多いです。
また、内側上顆周辺に圧力をかけると痛みが増し、触れるだけでも痛みを感じることがあります。痛みに伴い、肘や手首の動作に制限が生じ、物を握る力や屈伸運動に制約を感じることもあります。これにより日常動作の物を握って持ち上げる動作やタオルや雑巾を絞る動作などの動作が困難になり、日常生活に支障をきたすことがあります。
またその他にも、ゴルフ肘によって神経が圧迫されることで、しびれの症状を感じることもあります。
ゴルフ肘の症状は個人によって異なります。上記のような症状が現れたら、早期に医療機関を受診することが望ましいです。
原因
ゴルフ肘は、手の内側で内側上顆と呼ばれる部位の筋肉や腱の炎症によって生じる状態です。以下にゴルフ肘の主な原因を説明します。
過度な使用と負荷
ゴルフ肘は、ゴルフスイングによる過度な繰り返し運動や手首や手の屈筋に対する大きな負荷によって引き起こされることがあります。過度な使用と負荷は、筋肉や腱に過剰なストレスをかけることで炎症が生じる原因となります。
姿勢の問題
不適切な姿勢や手首の角度、グリップの過度な締め付けなどもゴルフ肘の原因となります。これらの要素によって手首や手の屈筋への圧力が増し、炎症が引き起こされることがあります。
筋力の不均衡
上腕や前腕の筋力の不均衡もゴルフ肘の原因となることがあります。例えば、上腕二頭筋や下腕筋群の筋力が不均衡であると、手首や手の屈筋への負担が増え、炎症が生じる可能性が高まります。
体質や遺伝的要因
個人の体質や遺伝的な要因もゴルフ肘のリスクを増加させることがあります。例えば、特定の身体的特徴や遺伝子によって筋肉や腱の強度や耐久性が低下している場合、ゴルフ肘の発症リスクが高まることがあります。
これらの原因要素が複合的に関与し、ゴルフ肘の発症を引き起こす可能性があります。ただし、個人によって影響の度合いや発症のリスクは異なります。
ゴルフ肘を予防するためには、適切な姿勢やスイング技術の習得、筋肉のバランスと柔軟性の向上、適度な休息やストレッチ、ウォーミングアップの実施が重要です。また、症状が現れた場合は、早期の適切なケアと医療専門家の指導を受けることが大切です。
治療
ゴルフ肘の治療では、できる限り手首と肘を使わず安静を保ち、痛みの症状が和らいできた段階で、筋肉強化などを目的としたリハビリテーションを行うことが重要です。
治療法としては、湿布や軟膏の使用、消炎鎮痛剤の服用、注射などといった薬物療法やその他温熱療法などを実施します。
また、当院では医師の指示の下、理学療法士が患者様の状態に合わせて運動器リハビリテーションを行います。
痛みやしびれなどといった症状の改善に加えて、筋肉の強化やストレッチを行うことで、再発の予防も行っております。
他にも、当院は物理療法機器が充実しています。医師の判断の下、症状に合わせて適切な治療を実施させていただきます。
また、上記のような治療を行っても症状に改善が見られない場合は、手術を検討することがあります。手術では、神経を保護しながら、傷んだ腱膜を取り除きます。
手術が必要な場合は、専門医療機関を紹介させていただきます。