整形外科

半月板損傷

半月板損傷

症状

半月板損傷の代表的な症状として、以下のようなものが挙げられます

  • 膝が完全に伸びきらない・曲がらない
  • 膝を曲げたり、伸ばしたりするときに痛みが生じる
  • 階段の昇り降りや膝の屈伸などをしていると「ゴキッ」と異音がする
  • 膝が「ガキッ」と引っかかり、急に動かなくなる
  • 歩いているときに「ガクン」と膝が落ちる

半月板損傷を患うと、上記のような膝関節の痛みや違和感、引っかかり、異常音、膝が動かなくなる「ロッキング」という状態を引き起こすことがあります。また、こうした症状に伴い、膝に水(骨液)が溜まることがあります。

また、普段は痛みがなくても、少しハードな運動を行った時に痛みが現れたり、運動後に関節が腫れるなどといった症状が出ることもあります。

また、半月板は関節を安定させたり、衝撃を吸収したりする役割を担っているため、上記のような症状は治まっていても、それら機能が低下することで将来的に膝の変形が起こるリスクが高まると考えられています。適切に治療を行い、二次障害を予防することが大切です。

症状が現れた場合は、早期に医療機関を受診し、専門家に診てもらうことをおすすめします。

原因

半月板損傷は、膝に体重がかかった状態で強くねじったり、衝撃を受けたりすることによって引き起こされることがよくあります。特にスポーツや急な外傷が関わることが多いです(外傷性)。しかし、加齢によっては半月板が傷つきやすくなりますので、高齢者でも日常生活中の些細な動作でも損傷することがあります(非外傷性)。

半月板は、膝関節内のクッションとして機能しており、強いストレスや急激な動きが加わると損傷することがあります。半月板は経年変化によっても劣化しやすく、組織の弾力性が低下するため、加齢に伴い傷つきやすくなるのです。

スポーツにおいては、特にランニング、サッカー、バスケットボール、テニスなどの運動によって半月板損傷が発生しやすいと言われています。これらのスポーツでは、瞬間的な方向転換やジャンプ、着地時に大きな負荷がかかります。また、外傷性の半月板損傷では、前十字靭帯の損傷と併発することがあります。

高齢者においては、加齢による組織の変性や筋力の低下などが原因として挙げられます。日常生活の動作や軽度の外傷でも、半月板損傷が生じる可能性があるのです。

半月板損傷の予防には、適切なウォーミングアップ、体力の維持、筋力トレーニングなどが重要です。また、正しい姿勢や技術、適切な装具の使用も予防に役立ちます。もし症状が現れた場合は、早期の診断と適切な治療のために医師の指導を受けることが重要です。

治療

半月板の損傷があるからと言って、必ずしも手術が必要なわけではありません。まずは膝に負担をかけないようにサポーターやテーピングなどで安静を保ちます。痛みや炎症を軽減するためには、湿布や消炎鎮痛剤、電気療法などが使用されます。

また、膝に水がたまっている場合は関節穿刺と呼ばれる方法で水を除去することも行われます。

また、関節内にヒアルロン酸などを注入することで潤滑性を高める治療法もあります。

手術を行わずに治癒することもあるため、まずは保存的な治療が試みられます。

ただし、症状が持続し、痛みが頻繁に現れたり、水が溜まるなどの問題がある場合は、手術を検討する必要があります。手術では、損傷の修復や部分切除といった方法があります。手術は個別の症状や損傷の状態によって異なるため、医師との相談と評価が不可欠です。

半月板損傷の治療は、ひとりひとりの状況に合わせて実施されます。適切な保存的治療を行うことで改善する場合もありますが、持続する症状や重度の損傷の場合には手術が検討されることがあります。医師の指導のもと、最適な治療方法を選びながら、早期の症状緩和と回復を目指すことが重要です。