整形外科

肉離れ

肉離れ

症状

筋肉が急激に引き伸ばされることで肉離れが起こります。肉離れでは、筋繊維が切れてしまうことから、以下の症状が現れることがあります。

熱感:肉離れの部位が炎症を起こすため、患部周辺に熱を感じることがあります。

炎症性の痛み: 肉離れの痛みは、炎症や組織の損傷が原因となっており、激しい痛みを伴うことがあります。

腫脹:肉離れした部位は、炎症や出血によって組織が腫れるため、腫れや腫脹感が生じることがあります。

皮下出血:肉離れによって血管が破壊されることで、皮下出血が現れることがあります。

症状が軽度の場合、自力で歩行することは可能ですが、痛みを伴います。しかし、肉離れが重度になると痛みが強くなり、自力での歩行が困難となる場合もあります。

肉離れは、適切な治療と回復のためのケアが重要です。早期の診断と適切な処置を受けることで、症状の緩和や回復の促進が期待できます。医師や専門家の助言を仰ぎ、適切な処置やリハビリテーションを行うことが肉離れの早期回復につながります。

何か気になる症状がある場合、我慢せず早期に医療機関を受診することをおすすめします。

原因

肉離れは、急激に筋肉へ負荷がかかる動作に筋肉が対応できない場合に起こります。具体的な場面として、急なダッシュやストップ動作、ジャンプからの着地などのタイミングが考えられます。また、筋肉疲労の蓄積やウォーミングアップの不足、加齢なども肉離れを引き起こす原因として考えられます。

そのため、日頃からストレッチなどをして予防を心掛けることが大切です。

また、肉離れしやすい部位は競技や場面によって異なりますが、太もも前面にある大腿四頭筋やハムストリングス(太もも裏にある筋肉の総称)、ももの内側にある内転筋、ふくらはぎにある腓腹筋など下半身の筋肉に発生することが多いです。

肉離れが発生しやすいスポーツとして、サッカー・バスケットボール・テニス・ラグビー・バレーボール・陸上競技などが挙げられます。

上記のスポーツは一部の例であり、他のスポーツにおいても肉離れのリスクはあります。スポーツを行う際には、適切なウォーミングアップやストレッチ、筋力トレーニングを行い、十分に準備することが大切です。また、適切なコーチの指導を受けることも肉離れの予防に役立ちます。

治療

肉離れの治療では、安静と固定が基本となります。肉離れは、筋繊維が無理な力により部分的に断裂した状態です。そのため、肉離れの治療は、切り傷や裂傷と同じように考えることができます。切り傷の場合、放置せずに傷口を寄せ合わせて固定することで、早く修復が進みます。

肉離れによって損傷した筋肉の繊維も、固定することで修復が促進されます。そのため、治療では患部を固定し、2〜3週間程度経過する間に組織の修復を進めるのが一般的です。修復過程で組織が収縮してしまうため、元の組織の状態に戻すためには、収縮した組織を引き延ばすことも必要となります。

治療では、安静と固定によって患部を安定させ、筋肉の自然治癒をサポートします。また、適切な固定具や包帯、テーピングなどを使用して、損傷した組織を保護します。治療後の経過では、リハビリテーションプログラムや筋力トレーニングなどの適切な運動療法が重要です。当院では理学療法士が、医師の診断の下、患者様ひとりひとりに適したリハビリを行います。

肉離れの治療には、個別の状態に応じた医師の指導と専門家のケアが必要です。適切な治療とケアによって、肉離れの組織修復や回復を促進し、再発を予防することが可能です。