足関節捻挫
症状
捻挫した時の主な症状として、足首の腫れ、歩行時の痛みなどが挙げられます。
足首を内側に捻った場合は、足首の外側(外くるぶし周囲)が腫れや内出血による青あざなどができることがあります。また、足首周辺が熱を持つこともよくあります。また人によっては、足首の外側だけでなく、内側が痛くなることや外くるぶしの後ろ側が痛くなることもあります。
また、捻挫は損傷を受けた靭帯によって、重症度合いが変わってきます。
捻挫の重症度は、「Ⅰ度」・「Ⅱ度」・「Ⅲ度」の3つに分類されます。
Ⅰ度 | ・靭帯に小さな損傷がある |
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Ⅱ度 | ・靭帯に部分断裂が生じている状態・スポーツで競技復帰するためには、6週間以上かかる |
Ⅲ度 | ・靭帯が完全に断裂している状態 ・手術が必要な場合がある ・スポーツへの復帰には数か月かかる |
また足首の捻挫は、内側に捻る場合だけでなく、外側に捻ったことで捻挫してしまう場合もあります。
外側に捻ることはあまりありませんが、靭帯が損傷してしまう原因の1つです。
さらに、足首を外側に捻ると、捻挫以外にも足首の骨折や果部(くるぶし)骨折を引き起こす可能性もあります。
原因
足首の捻挫は、足首の内側または外側に突然強い力がかかることによって生じます。以下足首の捻挫の主な原因となります。
足を捻る
足首の捻挫は、足首をひねったり回したりする運動やアクションによって引き起こされることがあります。例えば、歩行中に転倒した際や、スポーツでの急激な方向転換や着地時の誤った動きなどが原因となることがあります。
筋力バランスの悪さ
下肢の筋力のバランスが悪いと、足首が安定せずに捻挫のリスクが高まります。特に、内側または外側の筋力の不均衡が足首の安定性に影響を与えることがあります。
不適切な靴の着用
靴のサイズが合わず、適切なサポートやクッショニングが欠けている場合、足首の捻挫のリスクが高まることがあります。スポーツや活動に適した靴を選ぶことが重要です。
地面の状態
地面が不安定であったり、凹凸や滑りやすい表面がある場所での活動や運動は、足首の捻挫のリスクを増加させます。特に、グラウンドやトレイルランニングでのアクティビティにおいては、地面の状態に十分な注意が必要です。
過去の捻挫の影響
過去に足首を捻挫した経験がある場合、以前の怪我で組織や靭帯が傷ついているため、再度捻挫しやすくなります。
治療
足関節の捻挫は、重症度合いによって治療法が異なります。
Ⅰ度 | RICE療法を行い、その後サポーターやテーピングを使用し、痛みが和らぐのを待つ |
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Ⅱ度 | テーピングや装具、ギプスなどで固定 |
Ⅲ度 | ・不安定性が強くない場合:保存療法 ・不安定性が強い場合:手術を行う場合あり |
保存療法
腫れが引くまでの間、取り外しが可能なギプスシーネをつけ、その後、歩行ギプスを着用します。固定期間としては、怪我から3週間程度です。
その後、装具を使用してリハビリを始めます。怪我をしてから6週間ほど経過してからジョギングを開始し、徐々に運動量や強度を高めていきます。スポーツ競技復帰の目安は、約3か月後です。
当院では、医師の指示の下、理学療法士が患者様1人1人の症状に合わせて運動器リハビリテーションを行います。運動器リハビリの中では、ストレッチや筋力トレーニングを通じて、症状改善のために理学療法士がサポートします。
手術療法
断裂した靭帯を縫合します。術後は2~3週間程度ギプス固定が必要となり、その後のリハビリは保存療法と同じ流れになります。また入院が必要となり、期間としては2週間程度の入院が一般的です。
また、2回目3回目の怪我の場合、単純に縫合できないケースもあり、その際には靭帯を補強する方法や再建する方法を行うこともあります。
足関節の捻挫は、適切に治療を受けなければ痛みや不安定性が残り、再発のリスクが高まり、スポーツ活動や日常生活に支障をきたす恐れがあります。
また、足関節の軟骨を傷めることで、変形性足関節症を引き起こす可能性があります。それを予防するためにも、早期の治療を受けることが望ましいです。